2012年1月29日日曜日

ぶらり奈良。唐招提寺と若草山の山焼き。

2012年1月28日(土曜日)

久しぶりに読み返した井上靖の「天平の甍(いらか)」に感動。
鑑真和尚ってすごい人。本を読むとすぐに本に入り込んでしまうワタシは
「ボクも、立派なお坊さんになりたい!!」
 ・・・。
って、「全身、これ煩悩。」のワテが、お坊さんになれるわけがない。

せめて、唐招提寺(とうしょうだいじ)に行きたい!!
「自転車で行ったろ。」と決めました。
ボクは、同じ奈良県でも、奈良盆地の南部の為、往復70kmくらいのサイクリングです。

(この地図は、唐招提寺のインターネットから頂きました。)
唐招提寺のすぐ横には、薬師寺もあります。

秋篠川沿いのサイクリング・ロード秋篠川(あきしのがわ)。めっちゃ、高貴な名前!!
川沿いにサイクリング・ロードがあります。
ここを、気良く走っていると、薬師寺、唐招提寺の近くに行くことができます。

薬師寺東塔2009年から2018年までの解体修理中です。
ちらりと見えたので写真を撮りました。
薬師寺は高田好胤(たかだ こういん)が、写経勧進と法話で、荒れ寺を立派な寺に復興さた寺。
その流れを汲む現役のお坊さんの法話もユーモアたっぷりで面白い!
一旦入れば、拝観したり法話を聞いたりで2時間くらい過ぎてしまうので今回は行きません。

唐招提寺到着。
ちょっとゆっくりし過ぎた。16時20分です。
広い広い駐車場が近くにあります。自転車は無料です。

(上の写真を引き伸ばしました。)
駐車場の向こうに若草山が見えます。
唐招提寺の拝観後、近くまで走るつもりです。




南大門が入り口。受付のおじさんに聞くと
「17時には、門を閉めます。」とのこと。
じっくり、急いで見ることにします。拝観料600円です。

唐招提寺の境内。
(講堂内での境内案内図を写真りました。)

拝観券の裏書きによりますと、
「唐招提寺は、759年、唐の高僧鑑真大和上(がんじんだいわじょう)によって創建。
5度の失敗に屈することなく来日して我が国に戒律(かいりつ)を伝えたのです。」
とのこと。
当時の航海技術で唐から日本に渡るのは命がけ。
「天平の甍」の中で詳しく書かれていますが、鑑真が来日に成功した際も、4隻出航の内2隻が行方不明になり、内1隻は大きく遅れて到着。残り1隻は難破しました。
そう、鑑真和尚はチャレンジャーなのです。

金堂唐招提寺の南大門をくぐるとデ~ンと建っています。
国宝で奈良時代(8世紀後半)の建物です。
2000年から、2010年まで、平成の大修理が行われ、以前、自転車でウロウロ走っていた際に来た時は、修理中でバラバラになっていました。
堂内は、中央に本尊・盧舎那仏坐像、右に薬師如来立像、左に千手観音立像(いずれも国宝)が並びます。
天平時代の仏像です。
仏像は、撮影禁止の為、写真を撮っていません。



金堂斜め後の、ちぃちゃい建物が鼓楼(ころう)。
ちぃちゃいからとナメテはいけません。これも国宝です。
5月に、この2階からお坊さんや有名人が、ハート型をしたうちわをまきます。
そのうちわには、御利益があるとか・・・。

金堂の後が講堂。
国宝で奈良時代の建物です。(8世紀後半)
天平時代の、平城宮の面影をとどめる唯一の建築物がそうです。

本尊弥勒如来坐像(重要文化財 鎌倉時代)
講堂の本尊で、高さ2.84m。
構造は、寄木造りで、目鼻立ちも大きくはっきりとした力強い表情で、この点からも鎌倉時代の典型的な仏像といえます。(唐招提寺のインターネットより頂きました。)

本日、講堂が特別公開されており中に入ることができました。
中は、撮影禁止なので、カメラに触っていません。
中に入って、じっくりと見させていただきました。
この写真は、外から撮ったものです。
(外からは、OKのはずです。・・・。きっと。ダメ?)

境内の右奥にある鑑真和上御廟(がんじんわじょうごびょう)に向かいます。
ここは、初めて来たのですが、とっても気に入りました。

鑑真和上御廟へ向かう道。
京都の古いお寺のような感じ。(奈良の古いお寺ですけれどね。)
奈良のお寺も、京都に負けていません。
良いでしょう?

古い門を抜けます。


門を抜けるとこんな感じ。
この道の奥が、
鑑真和上御廟(がんじんわじょうごびょう)木に囲まれた小高い丘の上に御廟があります。

後から見ると、こんな感じ。

次に向かったのが御影堂(みえいどう)。

境内の奥にある御影堂。重要文化財です。
なんか、ピシッとした感じ。普段だらけているボクは思わず背筋を伸ばしました。
テレビや写真で良く見る、鑑真和上坐像が安置されています。
6月の5日6日7日の3日間だけ公開で、ボクには無理!!
「会社休んでまで見るか?休みに当たる年は、すごい人やろうし・・・。」

そのまま、境内の外側を歩いて行くと戒壇に着きます。
境内の、左はしです。

戒壇の前の道が良い。
整然とした道に感動です。
京都の古いお寺に負けません。

このまま右の矢印の講堂方面に進むと唐招提寺1周です。

まだ、閉門までに10分ある。
ひつこく再度、金堂に行き、中の仏像を見ていると中にいる係りの人が、
「ゆっくり、見て行ってくださいね。分からないことは聞いてください。」
とのこと。
仏像に無知な私は、基本の所が分かっていない。
ボク  :「この仏像は、鑑真和尚の時に作ったのですか?」
係りの人:「鑑真が死んでからです。金堂自体が、鑑真没後の建立です。」
あっ、そうなんですか?全然知りませんでした。
その後、少し話をし、閉門時間が迫って来たので礼を言って帰りました。

5時2分前にに鐘が「ゴ~ン」となると、中に観光客が残っていても正門がバタンと閉められます。
「え~?出られない!!閉じ込められた。」
すると係りの人が、「こちらから、どうぞ。」と案内してくれたのが横の小さな門。
ここの小さなな出口から出ました。
まっ、これはこれで、ちょっと面白い!!

門は閉鎖です。

唐招提寺から、奈良市内に向けて出発です。
日が暮れて、気温が一気に下がってきました。
知らない道を走るので、スピードを上げることができません。
その分、体は冷える一方です。

JR奈良駅17時30分にJR奈良駅到着です。
この駅舎は、とっても古い駅舎です。
線路が高架化された際に、建て替えの予定でしたが、惜しむ声にコタえて保存されました。
駅舎の位置が少し変更になるため、「エイヤ!!」と、持ちあげて移動しています。

お腹も空いて来たし、何より寒い。
どこかで、夕ご飯とも思いましたが、気に入った店が無かったのでそのまま、奈良公園まで来てしまいました。
夜の早い奈良の町にしては、異常に人が多い。
やはり、若草山の山焼きはビック・イベント。
人がザワザワと若草山方面に歩いて行きます。

春日大社に向かって右側に飛火野(とびひの)と呼ばれる芝生の小高い丘があります。
そこから、若草山が良く見えます。
人の邪魔にならないように木陰で駐輪。
18時に到着。

山焼きまで30分。
寒い。
だいたい自転車に乗る際は、薄着です。
今の時期、厚着で汗をかく方が大敵。冷えた汗で風邪をひきます。
でも今の服で、じっと待っての30分は耐えられそうにありません。
飛火野の芝生を歩いて、体を動かして寒さを耐えました。

18時20分から花火が上がります。
やった~!!花火の開始時間まで寒さを我慢できました。

若草山の頂上から、打ち上げています。
そりゃ、そりゃ、よ~く見えます。
花火は約10分続きます。
花火が終了後、山焼きの開始。
ところが、地元の人と思しき人達は、花火が終わるとゾロゾロ帰って行きす。
「えっ? あれ? 山焼きは見ないんですか?」
ワタクシ、思いますに、
花火は毎年変わりますが、山焼きの風景は毎年同じ。
何度も見ている地元の人には、珍しくないのかも。

花火を見ている途中でハタと気付いたのですが、花火が始まったからと言って体が暖まるわけではありません。
じっと見て体を動かさない分、よけいシンシンと冷えてきます。
花火に「ワー」と感動している間に、体は芯からヒエ・ビエ。

18時30分点火若草山の山焼きが始まりました。
外側から徐々に炎が広がります。
花火のように、パッとは広がりません。手前の炎が激しく立っています。山の後は煙と炎で見えません。
少しずつ少しずつ真中に向かって炎は燃え広がります。

山は燃えて熱そうですが、こちらは、寒くて凍えそうです。

点火から10分経過炎が高く上がっています。
ここからでも、見えるので5~6mの高さはあるのでは?
煙がすごく上がっています。
15分くらい山焼きを見ていましたが、余りの寒さに耐えかねて「もう無理。帰ろ。」と決めました。
手が、カジカンで自転車のライトがうまく取りつきません。
5分くらいシックハックして夜間走行の準備完了です。

19時前くらいの帰り道、若草山が見える場所で、振り返ってみると山全体が炎に包まれています。
離れて見る方が綺麗に見えます。

自転車で走りだして約30分。余りの寒さと空腹感から、ちょっと休憩。丸亀製麺所 釜揚げ大380円。
体が暖まります。
寒さの為の手のしびれも回復。食べ終わって、熱いお茶で一服。
復活です。

家には21時に帰りました。
うどんを食べてから、夜の走行で約20kmを1時間で走った事に。
飛ばしましたもの。
息が上がるまで、一生懸命走らないと寒くて寒くて。
真冬の夜間走行は、しゃぶい!!

嬉しいことが、ひとつ。
昨日、新年会で食べ過ぎてしまい、「ありゃっ!!」
と、ビックリするほど増えていた体重が、本日の体重計では普段より減っている。
ムム。ヘヘ~。ホホ~。
やっぱり、自転車は良いな~。

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